2019年06月25日
Quadra 800のお掃除・・・「漂白」編
中古で買ったMacintosh Quadra 800のお掃除ですが、
コッテコテの埃(ヘドロ?)と虫の除去
金属パネルのサビ取り
・・・と来ましたが、それと並行して行なっていたのが・・・
・・・でございます。
1990年代までのMacintoshは、筐体の全体または部分的にABS樹脂を使っておりました。
上の写真は、今だに人気のあるMacintosh Quadra 700です。
Quadra 700本体、ディスプレイ、キーボード、マウス、・・・と、グレーの部分は全てABS樹脂で、使っているところが非常に多く、ABS樹脂全盛の時代だったと言えるのかもしれません。
そして、このABS樹脂製の筐体は、長く使ってきますと、黄色く変色してきます。
なので、20年以上が経過して中古で出回っている昨今などとなりますと、黄色く、いえ、場合によってはオレンジや茶色と言えるくらいまで変色しているものがほとんどとなっています。
で、この変色は、可燃性であるABS樹脂に燃えないように練りこまれている臭素系の"難燃剤"が、紫外線を長く浴びて分解されることが原因だとか。
以下の"なうなう"さんのページでメカニズムを詳細に解説してくれています
◎「なうなう」さん
経年により日焼けで黄ばんだプラスチックを驚きの白さに
ちなみに、Quadra 800で見ますと、筐体は側面と上側を"コ"の字を立てたように金属を利用していて、それ以外の前面パネル、背面パネル、底パネル・・・(加えて内部の骨格なども)がABS樹脂製になっています。
で、今回、前面パネルの"漂白"した後の部分パネルと、まだ漂白していないベースを比較すると・・・
・・・な感じで、差が出ます。
実は、漂白をした・・・3つの部分パネルも、元々の色(陽に当たらない裏側などで今でも確認できます・・・)から見ると、もう一段黄色味が抜けても良い程度なんですが、それでも背後の前面パネルと比較するとかなり黄色味が抜けています。
年月を過ごすと、これほど真っ黄黄(きっき)になってしまうのですねぇ〜;;;
さて、漂白作業にはワイドハイターEXを使います。
ワイドハイターEXに含まれる「過酸化水素」と紫外線による化学変化で黄ばみを解消するのだとか。
つまり、漂白したいABS樹脂をワイドハイターEXに浸けて、そこに太陽を浴びせれば、黄色い色が消えていく・・・という筋書き!
これまでに試した漬け込み方ですが・・・
(1)原液を塗りラップで包む
(2)筆で原液を塗り、乾いたら塗る、を繰り返す
(3)水にハイターを溶かし、漬け込む
(1)(2)の方法は、原液を塗るだけあって効果が早く出てくれます。
ただ、それぞれに欠点がありました。
(1)の欠点
■ラップが均一に触れないので色むらができる
(2)の欠点
■曲面の山と谷で色むらができる
■筆で塗ったが、塗装がはげたり表面の照りがなくなった
特に、ワイドハイターの漂白成分のせいなのか、原液を使ったせいなのかはわかりませんが、筆で塗っていると、名称や虹色のAppleマークがはげてきたり、照りがなくなって過剰に白くなる状態になってしまいました。
なので、それ以降、漂白している際には・・・
・・・を絶対守るようにしています。
ということで、(3)の水に溶かして漬け込む方法が、効果が遅く日数は掛かりますが、一番綺麗に仕上がるように感じています。
ただ、裏に金属パネルが付いていて、それが分離できない場合は・・・
・・・困ります;;;。
前面パネルのベース、背面パネルがそれにあたります。
一応、金属パネルの取り外しを試みてみましたが、後から戻せるような外し方が出来そうもないので、断念しました。
今回は金属にハイターが付かないように、周辺を養生して、筆で塗りつける方法を行なっています。
・・・ということで、何とか掃除と赤サビ取りと漂白で、Quadra 800が・・・
さて、漂白を行う中で、上記でも少し取り上げましたが、漂白をやりすぎたり、擦ったりして、表面があたかもパサパサになったように白くなってしまうことがあります。
たとえば、漂白の液体から上げて、すすいでいる時など、表面に水分が乗っている時には全体的に同じような色合いで綺麗なんですが、乾いてくると、白くまだらになってきたりします。
今回でも、漂白が終わった段階では・・・
・・・と、下側の大きな面積の方が上側の3つの部分パネルよりも白いですが、ところどころ黒い影みたいなものが浮き上がっていて、上の"完成"写真には程遠い仕上がり状況でした。
拡大して、大きな面と一つ上の部分パネルの境界付近の右側・・・
そして、大きな面の真ん中あたり・・・
・・・と浮き上がっています。
でも、これ、ティッシュとかに水分を含ませて拭いてあげると、水分がある間は何もないように色ムラなく艶やかで綺麗な色合いになっているんです。
「影」と言いましたが、実際にはその影みたいな色が本来出るべき色合いかもしれません。薄黒いところの方が面積が小さいので、浮き上がってきているように見えますが、水分を塗ると色が濃くなってちょうどこの影の色に艶が付いた感じの色合いになります。
・・・ということで、常に水分が付いている状態を実現すれば、色むらが解消するように思えてきたので、そこで、ワックス的なものを使用して艶出しを行ってみることにしました。
使用したのは以下の3つの製品・・・
右側から・・・
(1)KURE「クレポリメイト クリア」
(2)ARMOR ALL「保護つや出し剤」
(3)KURE「シリコンスプレー」
まず試したのが「クレポリメイト クリア」です。
ゴム手袋をした上で、ティッシュに浸して、あとは表面にクルクル塗っていく・・・、数回だけだと乾いて来るにしたがって影が出てくるので、クルクルと何度も塗っていきます。
さらに、ふんだんに塗りこむためにティッシュに補充しながら、しつこいくらいに塗っていく・・・・と、そのうち大きいパネルの半分から下側や、前面パネルの右側のライトとか再起動ボタンがある縦長な部分では、ほぼ色ムラが見られなくなりました。
ただ、まだ少しムラが残っています。
そこで、次に試したのが、ARMOR ALL。
これを使うと「クレポリメイト クリア」の残した部分が少し減った感じもしますが、でも、あまり変化はありませんでした。
そこで、最後に試したのが、艶出し剤や保護剤ではないんですが"皮膜を作る"という言葉に惹かれて・・・KURE「シリコンスプレー」です。
ところが何とっ!、このKURE「シリコンスプレー」が効果があって、これでほぼ影が見えなくなりました。
こちらも同様にスプレーの口にティッシュを当てて、ティッシュに染み込ませて、クルクルと塗り込みました。
すると、上記の出来上がり写真のように、影や色合いの違いは見られない状態にまですることができました。
では、まとめ・・・
◎症状が軽い時・・・保護つや出し剤(クレポリメイト クリアやARMOR ALL)
◎重症の時・・・・・シリコン・オイル(KURE「シリコンスプレー」など)
プラスチックの"艶出し"ということでは、この他にも色々な製品があるので、それらも試してみても良いかと思います。
今回、Amazonで気になったのは、プラモデルメーカーのタミヤの「No.36 モデリングワックス」です。
では、これで完全に出来上がり・・・ということで、再度、"復活"のお写真を・・・
KURE「シリコンスプレー」は、名前に付いているように"スプレー"なので使用時には吸い込まないように、換気や風の向きに注意してください。
最近、靴や傘に使用する撥水剤を室内で使用して、その時に吸い込み、息ができなくなってしまうケースが増えているそうです。
撥水剤は、水を弾くための製品なので、それが肺に入ると、肺が空気を吸収できなくなってしまうんだとか・・・
最悪、死亡するケースもあったようです・・・
シリコンスプレーの主成分のシリコンオイルも、撥水の効果があるので、もしかすると呼吸困難などに陥る可能性があるため、よく注意して使いましょう(自分も気をつけます!!)
◎Amazon ※価格は全て 2019/06/25 22時 現在のものです
■ KURE「クレポリメイト クリア 価格:910円
■ARMOR ALL「保護つや出し剤」 価格:682円
■ KURE「シリコンスプレー 価格:726円
■ タミヤ メイクアップ材シリーズ No.36 モデリングワックス 価格:577円
コッテコテの埃(ヘドロ?)と虫の除去
金属パネルのサビ取り
・・・と来ましたが、それと並行して行なっていたのが・・・
漂白!
・・・でございます。
プラスチック筐体が変色する!
1990年代までのMacintoshは、筐体の全体または部分的にABS樹脂を使っておりました。
上の写真は、今だに人気のあるMacintosh Quadra 700です。
Quadra 700本体、ディスプレイ、キーボード、マウス、・・・と、グレーの部分は全てABS樹脂で、使っているところが非常に多く、ABS樹脂全盛の時代だったと言えるのかもしれません。
そして、このABS樹脂製の筐体は、長く使ってきますと、黄色く変色してきます。
なので、20年以上が経過して中古で出回っている昨今などとなりますと、黄色く、いえ、場合によってはオレンジや茶色と言えるくらいまで変色しているものがほとんどとなっています。
で、この変色は、可燃性であるABS樹脂に燃えないように練りこまれている臭素系の"難燃剤"が、紫外線を長く浴びて分解されることが原因だとか。
以下の"なうなう"さんのページでメカニズムを詳細に解説してくれています
◎「なうなう」さん
経年により日焼けで黄ばんだプラスチックを驚きの白さに
ちなみに、Quadra 800で見ますと、筐体は側面と上側を"コ"の字を立てたように金属を利用していて、それ以外の前面パネル、背面パネル、底パネル・・・(加えて内部の骨格なども)がABS樹脂製になっています。
で、今回、前面パネルの"漂白"した後の部分パネルと、まだ漂白していないベースを比較すると・・・
・・・な感じで、差が出ます。
実は、漂白をした・・・3つの部分パネルも、元々の色(陽に当たらない裏側などで今でも確認できます・・・)から見ると、もう一段黄色味が抜けても良い程度なんですが、それでも背後の前面パネルと比較するとかなり黄色味が抜けています。
年月を過ごすと、これほど真っ黄黄(きっき)になってしまうのですねぇ〜;;;
漂白作業
さて、漂白作業にはワイドハイターEXを使います。
ワイドハイターEXに含まれる「過酸化水素」と紫外線による化学変化で黄ばみを解消するのだとか。
つまり、漂白したいABS樹脂をワイドハイターEXに浸けて、そこに太陽を浴びせれば、黄色い色が消えていく・・・という筋書き!
これまでに試した漬け込み方ですが・・・
(1)原液を塗りラップで包む
(2)筆で原液を塗り、乾いたら塗る、を繰り返す
(3)水にハイターを溶かし、漬け込む
(1)(2)の方法は、原液を塗るだけあって効果が早く出てくれます。
ただ、それぞれに欠点がありました。
(1)の欠点
■ラップが均一に触れないので色むらができる
(2)の欠点
■曲面の山と谷で色むらができる
■筆で塗ったが、塗装がはげたり表面の照りがなくなった
特に、ワイドハイターの漂白成分のせいなのか、原液を使ったせいなのかはわかりませんが、筆で塗っていると、名称や虹色のAppleマークがはげてきたり、照りがなくなって過剰に白くなる状態になってしまいました。
なので、それ以降、漂白している際には・・・
決して擦らない!
・・・を絶対守るようにしています。
ということで、(3)の水に溶かして漬け込む方法が、効果が遅く日数は掛かりますが、一番綺麗に仕上がるように感じています。
ただ、裏に金属パネルが付いていて、それが分離できない場合は・・・
・・・困ります;;;。
前面パネルのベース、背面パネルがそれにあたります。
一応、金属パネルの取り外しを試みてみましたが、後から戻せるような外し方が出来そうもないので、断念しました。
今回は金属にハイターが付かないように、周辺を養生して、筆で塗りつける方法を行なっています。
・・・ということで、何とか掃除と赤サビ取りと漂白で、Quadra 800が・・・
復活しました!!
漂白作業で白くなりすぎた場合
さて、漂白を行う中で、上記でも少し取り上げましたが、漂白をやりすぎたり、擦ったりして、表面があたかもパサパサになったように白くなってしまうことがあります。
たとえば、漂白の液体から上げて、すすいでいる時など、表面に水分が乗っている時には全体的に同じような色合いで綺麗なんですが、乾いてくると、白くまだらになってきたりします。
今回でも、漂白が終わった段階では・・・
・・・と、下側の大きな面積の方が上側の3つの部分パネルよりも白いですが、ところどころ黒い影みたいなものが浮き上がっていて、上の"完成"写真には程遠い仕上がり状況でした。
拡大して、大きな面と一つ上の部分パネルの境界付近の右側・・・
そして、大きな面の真ん中あたり・・・
・・・と浮き上がっています。
でも、これ、ティッシュとかに水分を含ませて拭いてあげると、水分がある間は何もないように色ムラなく艶やかで綺麗な色合いになっているんです。
「影」と言いましたが、実際にはその影みたいな色が本来出るべき色合いかもしれません。薄黒いところの方が面積が小さいので、浮き上がってきているように見えますが、水分を塗ると色が濃くなってちょうどこの影の色に艶が付いた感じの色合いになります。
・・・ということで、常に水分が付いている状態を実現すれば、色むらが解消するように思えてきたので、そこで、ワックス的なものを使用して艶出しを行ってみることにしました。
使用したのは以下の3つの製品・・・
右側から・・・
(1)KURE「クレポリメイト クリア」
(2)ARMOR ALL「保護つや出し剤」
(3)KURE「シリコンスプレー」
まず試したのが「クレポリメイト クリア」です。
ゴム手袋をした上で、ティッシュに浸して、あとは表面にクルクル塗っていく・・・、数回だけだと乾いて来るにしたがって影が出てくるので、クルクルと何度も塗っていきます。
さらに、ふんだんに塗りこむためにティッシュに補充しながら、しつこいくらいに塗っていく・・・・と、そのうち大きいパネルの半分から下側や、前面パネルの右側のライトとか再起動ボタンがある縦長な部分では、ほぼ色ムラが見られなくなりました。
ただ、まだ少しムラが残っています。
そこで、次に試したのが、ARMOR ALL。
これを使うと「クレポリメイト クリア」の残した部分が少し減った感じもしますが、でも、あまり変化はありませんでした。
そこで、最後に試したのが、艶出し剤や保護剤ではないんですが"皮膜を作る"という言葉に惹かれて・・・KURE「シリコンスプレー」です。
ところが何とっ!、このKURE「シリコンスプレー」が効果があって、これでほぼ影が見えなくなりました。
こちらも同様にスプレーの口にティッシュを当てて、ティッシュに染み込ませて、クルクルと塗り込みました。
すると、上記の出来上がり写真のように、影や色合いの違いは見られない状態にまですることができました。
では、まとめ・・・
◎症状が軽い時・・・保護つや出し剤(クレポリメイト クリアやARMOR ALL)
◎重症の時・・・・・シリコン・オイル(KURE「シリコンスプレー」など)
プラスチックの"艶出し"ということでは、この他にも色々な製品があるので、それらも試してみても良いかと思います。
今回、Amazonで気になったのは、プラモデルメーカーのタミヤの「No.36 モデリングワックス」です。
では、これで完全に出来上がり・・・ということで、再度、"復活"のお写真を・・・
スプレーの使用はご注意を!
KURE「シリコンスプレー」は、名前に付いているように"スプレー"なので使用時には吸い込まないように、換気や風の向きに注意してください。
最近、靴や傘に使用する撥水剤を室内で使用して、その時に吸い込み、息ができなくなってしまうケースが増えているそうです。
撥水剤は、水を弾くための製品なので、それが肺に入ると、肺が空気を吸収できなくなってしまうんだとか・・・
最悪、死亡するケースもあったようです・・・
シリコンスプレーの主成分のシリコンオイルも、撥水の効果があるので、もしかすると呼吸困難などに陥る可能性があるため、よく注意して使いましょう(自分も気をつけます!!)
◎Amazon ※価格は全て 2019/06/25 22時 現在のものです
■ KURE「クレポリメイト クリア 価格:910円
■ARMOR ALL「保護つや出し剤」 価格:682円
■ KURE「シリコンスプレー 価格:726円
■ タミヤ メイクアップ材シリーズ No.36 モデリングワックス 価格:577円
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