2020年01月13日
iBookのEthernet端子を修復する
トラブルや修理話の連続となっておりますが・・・今回も引き続き修理話でございます。
さて、2014年に床に落としてEthernet端子を破損していたiBook G3 Dual USBですが・・・
◎i-Power Style Navi
iBook G3 700を落としてしまって・・・破損;;; (2014/08/17)
去年、中古のQuadra 800・・・
・・・を購入してから、iBookの重要性が増してきました。
まず、iBookにはMacOSX 10.4に加え、MacOS 9.2も入っているので、いわゆるClassic環境上で使用するアプリとかQuadra 800で必要なものも残っていること。
それと、MacOSXとMacOS 9が共存していることで象徴されるように、現代機種とQuadra 800のような超旧型機種との中間的な存在で、ファイルのやり取りする際に、余り考えずにQuadra800がアクセスできるのがiBookである点です。(色々と試していますが、今のところ・・・)
ただ、頻繁にファイル転送したり、大きなファイルを送るようになると、IEEE802.11bのAirMacではとても遅くて、iBookでEthernet端子が使えないことの重大さを痛感するばかりです。
そこで、年末にかけ、一気にiBookのEthernet端子を修理することにしました。
ロジックボードを取り出すと、端子周りは・・・
右側がEthernet端子
・・・というような感じになっておりまして、実は、この右側のEthernet端子は、落下の際にボードから剥がれてしまってまして・・・
・・・と綺麗に取れています。
そこで、いざ修理しようと思い、端子を見てみると・・・
・・・と、あまりにもロジックボードに接続すべき部分が細かい・・・
・・・と諦めかけました。
ところが、半田付けについて調べていくうちに、実はこの細かな部分、半田付けの際にフラックスという液体を使用すると、ハンダが綺麗に必要な部分にのみ分かれ付いてくれる・・・ということがわかりました。
◎YouTube
◆面実装部品(ピン間0.65[mm])のはんだ付け
◆Professional SMT Soldering: Hand Solde・・・
・・・と、これらを見てみると、フラックスを使って、ドバーッとやれば・・・
・・・ということで、ちょっと"やる気スイッチ"が入ったりしたんですが・・・
再び、よくよく調べてみると、端子が剥がれた際に、基板上のパターンも道連れにしていることがわかりました。
加えて、端子の接続部分だけじゃなく、そこから多分Ethernetの処理を担う素子に繋がるパターンも一緒に剥がされているようです。
Ethernetケーブルは、8本の細いケーブルをまとめたもので、そのプラグRJ-45も8本接続ポイントがありますが、実は、昔の規格で速度が遅い時代の10Baseではその中の4本しか使っていないことがわかりました。
実際、iBookのロジックボード上の剥がれた跡を見てみると、素子につながっているのは・・・
・・・のような感じです。
そこで、細いケーブルを使って、素子に直付けすることにしました。
Ethernet端子の接続ポイントへのケーブル接続は、養生テープを使って、周辺を隔離することで、経験の"無さ"("不足"ではなく"無い"のです;;;)を補うことにしました。
その結果・・・
・・・と、なんとか端子を復元することができました!!!
Ethernetケーブル接続が復活して、iMac - iBook間はもちろん、旧型の Quadra 800とiBook間のファイル転送でもかなり速くなりました。
ということで、一応・・・
・・・で、ございます。
今回、使ったのが、初心者でも扱い易い半田ごて・・・・
◎Amazon
白光「FX600」
・・・です。
電気を投入してから使えるようになるまでの時間が非常に短いし(すぐに使えるようになる)、その使い始められる時がランプが消えることでわかり易いのと、温度が一定なのが安心。
それと、細かなEthernet端子の各接点での作業を楽にする、こて先として・・・
◎Amazon
白光「C型 T18-C1」
・・・を使用しました。
この細いコテ先は、Ethernet端子の接点に半田付けするにはピッタリでした。
ただ、Ethernet端子をロジックボードに固定する大きな部分には、引き続きでそのままT18-C1でやろうとしましたが、温度が下がりやすくなってしまうためか、上手くハンダが溶けてくれませんでした。
なので、そこはもともとFX600に付いていたコテ先に変えて半田付けを行いました。
あと、端子から素子までを接続するためのケーブル。
当初、いらないEthernetケーブルを分解して、内部にあるケーブルを取り出して使おうと思いましたが、半田付けの熱に耐えられず(下手なのでつい長い時間を要するからか・・・)溶けてしまったのと、硬くて取り回しが悪いので、急遽、耐熱で柔らかいシリコンケーブルを注文しました。
今回使ったのは、一番手頃だった・・・
◎Amazon
BNTECHGO「30AWGシリコーン細線」
・・・です。
いやぁ〜、シリコンケーブル・・・、全く違いました;;;
まぁ、熱で変化しにくいのは言うまでもなく、柔らかいと言う点は作業し易くて、最初から変にケチらない買っておけば良かったと後悔しました。
次に、Ethernetの処理を行う素子への半田付けでも本領を発揮してくれたフラックス、そしてフラックス洗浄剤は・・・
◎Amazon
◆ goot「プリント基板フラックス BS-75B」
◆ goot「フラックスリムーバー BS-T20B」
・・・を使用しました。
製品は価格で選びました。goot製品なので、信頼性もあるのでは・・・と思います。
フラックスを頻繁に使うことで、特に隙間が狭い部分での半田付けが楽にできました。
それと、フラックスを使った基板上を洗浄剤により何もなかったように綺麗にできるのも良いです。
そして、一番大切なハンダですが、これまで適当に買って使っていたのが、良く見ると「ステンレス・ニッケル・銅合金用」だったので;;;;、今回、新しく買い直しました。
◎Amazon
◆ goot「鉛フリー高密度集積基板用はんだ SD-51」 (φ0.6mm)
◆ goot「リール巻はんだ 100g SE-06010」 (φ1.0mm)
最初、鉛フリーはんだを買ったんですが、やはり融点が高く(216〜227℃)使い辛い面があるので、後から従来品を買い足しました。
今回、半田付けを学んでいく中で、その存在を知ったのが・・・
・・・です。
まだまだ、熱の与え方を理解できてなくて使いこなせていませんが、今回、非常に重宝しました。
間違って続けてしまった時や、取り外した後の不要なハンダを取り除く時など、ハンダを吸い上げてくれて、使い始めると便利この上ない存在です。
◎Amazon
◆ goot「はんだ吸取り線 CP-30Y」 (幅 3.0 mm)
◆ HOZAN「はんだ吸取り線 HS-380-2.0」 (幅 2.0 mm)
そして最後に、かなり作業を簡単にしてくれたのが・・・
◎Amazon
◆ 3Mスコッチ「耐熱性クレープマスキングテープ 」 (幅:6mm)
・・・です。
今回の細かな半田付けの際に、マスキングテープで隣と隔てることで、力量のなさをカバーしてくれました。
それと、細々としたところでは、他のプラスチックの部品に触ったりして溶かしてしまうこともあるので(実際に溶かしてしまった;;;)、周辺の部品に綿密に貼っておくことで失敗を少なくできる・・・と感じました(準備の段階が一番重要ということか・・・)
・・・ということで、まだまだ半田付け・・・勉強中です。
さて、2014年に床に落としてEthernet端子を破損していたiBook G3 Dual USBですが・・・
◎i-Power Style Navi
iBook G3 700を落としてしまって・・・破損;;; (2014/08/17)
去年、中古のQuadra 800・・・
・・・を購入してから、iBookの重要性が増してきました。
まず、iBookにはMacOSX 10.4に加え、MacOS 9.2も入っているので、いわゆるClassic環境上で使用するアプリとかQuadra 800で必要なものも残っていること。
それと、MacOSXとMacOS 9が共存していることで象徴されるように、現代機種とQuadra 800のような超旧型機種との中間的な存在で、ファイルのやり取りする際に、余り考えずにQuadra800がアクセスできるのがiBookである点です。(色々と試していますが、今のところ・・・)
ただ、頻繁にファイル転送したり、大きなファイルを送るようになると、IEEE802.11bのAirMacではとても遅くて、iBookでEthernet端子が使えないことの重大さを痛感するばかりです。
そこで、年末にかけ、一気にiBookのEthernet端子を修理することにしました。
破損状況
ロジックボードを取り出すと、端子周りは・・・
右側がEthernet端子
・・・というような感じになっておりまして、実は、この右側のEthernet端子は、落下の際にボードから剥がれてしまってまして・・・
・・・と綺麗に取れています。
そこで、いざ修理しようと思い、端子を見てみると・・・
・・・と、あまりにもロジックボードに接続すべき部分が細かい・・・
こりゃぁ〜無理だろう;;;
・・・と諦めかけました。
ところが、半田付けについて調べていくうちに、実はこの細かな部分、半田付けの際にフラックスという液体を使用すると、ハンダが綺麗に必要な部分にのみ分かれ付いてくれる・・・ということがわかりました。
◎YouTube
◆面実装部品(ピン間0.65[mm])のはんだ付け
◆Professional SMT Soldering: Hand Solde・・・
・・・と、これらを見てみると、フラックスを使って、ドバーッとやれば・・・
できるかも〜♪
・・・ということで、ちょっと"やる気スイッチ"が入ったりしたんですが・・・
再び、よくよく調べてみると、端子が剥がれた際に、基板上のパターンも道連れにしていることがわかりました。
加えて、端子の接続部分だけじゃなく、そこから多分Ethernetの処理を担う素子に繋がるパターンも一緒に剥がされているようです。
10BaseT端子から素子までの接続
Ethernetケーブルは、8本の細いケーブルをまとめたもので、そのプラグRJ-45も8本接続ポイントがありますが、実は、昔の規格で速度が遅い時代の10Baseではその中の4本しか使っていないことがわかりました。
実際、iBookのロジックボード上の剥がれた跡を見てみると、素子につながっているのは・・・
・・・のような感じです。
10BaseT端子から素子までの接続
そこで、細いケーブルを使って、素子に直付けすることにしました。
Ethernet端子の接続ポイントへのケーブル接続は、養生テープを使って、周辺を隔離することで、経験の"無さ"("不足"ではなく"無い"のです;;;)を補うことにしました。
その結果・・・
・・・と、なんとか端子を復元することができました!!!
Ethernetケーブル接続が復活して、iMac - iBook間はもちろん、旧型の Quadra 800とiBook間のファイル転送でもかなり速くなりました。
ということで、一応・・・
大成功!!
・・・で、ございます。
修理に使った機材
今回、使ったのが、初心者でも扱い易い半田ごて・・・・
白光「FX600」
◎Amazon
白光「FX600」
・・・です。
電気を投入してから使えるようになるまでの時間が非常に短いし(すぐに使えるようになる)、その使い始められる時がランプが消えることでわかり易いのと、温度が一定なのが安心。
それと、細かなEthernet端子の各接点での作業を楽にする、こて先として・・・
白光「C型 T18-C1」
◎Amazon
白光「C型 T18-C1」
・・・を使用しました。
この細いコテ先は、Ethernet端子の接点に半田付けするにはピッタリでした。
ただ、Ethernet端子をロジックボードに固定する大きな部分には、引き続きでそのままT18-C1でやろうとしましたが、温度が下がりやすくなってしまうためか、上手くハンダが溶けてくれませんでした。
なので、そこはもともとFX600に付いていたコテ先に変えて半田付けを行いました。
あと、端子から素子までを接続するためのケーブル。
当初、いらないEthernetケーブルを分解して、内部にあるケーブルを取り出して使おうと思いましたが、半田付けの熱に耐えられず(下手なのでつい長い時間を要するからか・・・)溶けてしまったのと、硬くて取り回しが悪いので、急遽、耐熱で柔らかいシリコンケーブルを注文しました。
今回使ったのは、一番手頃だった・・・
BNTECHGO「30AWGシリコーン細線」
◎Amazon
BNTECHGO「30AWGシリコーン細線」
・・・です。
いやぁ〜、シリコンケーブル・・・、全く違いました;;;
まぁ、熱で変化しにくいのは言うまでもなく、柔らかいと言う点は作業し易くて、最初から変にケチらない買っておけば良かったと後悔しました。
次に、Ethernetの処理を行う素子への半田付けでも本領を発揮してくれたフラックス、そしてフラックス洗浄剤は・・・
goot「プリント基板フラックス」
と
goot「フラックス洗浄剤」
と
goot「フラックス洗浄剤」
◎Amazon
◆ goot「プリント基板フラックス BS-75B」
◆ goot「フラックスリムーバー BS-T20B」
・・・を使用しました。
製品は価格で選びました。goot製品なので、信頼性もあるのでは・・・と思います。
フラックスを頻繁に使うことで、特に隙間が狭い部分での半田付けが楽にできました。
それと、フラックスを使った基板上を洗浄剤により何もなかったように綺麗にできるのも良いです。
そして、一番大切なハンダですが、これまで適当に買って使っていたのが、良く見ると「ステンレス・ニッケル・銅合金用」だったので;;;;、今回、新しく買い直しました。
◎Amazon
◆ goot「鉛フリー高密度集積基板用はんだ SD-51」 (φ0.6mm)
◆ goot「リール巻はんだ 100g SE-06010」 (φ1.0mm)
最初、鉛フリーはんだを買ったんですが、やはり融点が高く(216〜227℃)使い辛い面があるので、後から従来品を買い足しました。
今回、半田付けを学んでいく中で、その存在を知ったのが・・・
はんだ吸い取り線!
・・・です。
まだまだ、熱の与え方を理解できてなくて使いこなせていませんが、今回、非常に重宝しました。
間違って続けてしまった時や、取り外した後の不要なハンダを取り除く時など、ハンダを吸い上げてくれて、使い始めると便利この上ない存在です。
◎Amazon
◆ goot「はんだ吸取り線 CP-30Y」 (幅 3.0 mm)
◆ HOZAN「はんだ吸取り線 HS-380-2.0」 (幅 2.0 mm)
そして最後に、かなり作業を簡単にしてくれたのが・・・
耐熱性マスキングテープ
◎Amazon
◆ 3Mスコッチ「耐熱性クレープマスキングテープ 」 (幅:6mm)
・・・です。
今回の細かな半田付けの際に、マスキングテープで隣と隔てることで、力量のなさをカバーしてくれました。
それと、細々としたところでは、他のプラスチックの部品に触ったりして溶かしてしまうこともあるので(実際に溶かしてしまった;;;)、周辺の部品に綿密に貼っておくことで失敗を少なくできる・・・と感じました(準備の段階が一番重要ということか・・・)
・・・ということで、まだまだ半田付け・・・勉強中です。
ipodnavi at 20:23│Comments(0)